全人口ライバー化計画──SDPI藤崎が開く「第七の扉」
配信×デジタルの総合支援
SDPI株式会社は、ライブ配信のコンサルティングを中核に、Web制作・プロモーションまで一気通貫で担う配信×デジタルの総合支援企業だ。 秋葉原のメイドカルチャーに接続する実店舗運営、子会社「あなたのための不動産株式会社」による住環境支援、VTuber事務所「ナナハピ」の運営など、ライバーを取り巻く生態系を社内に束ねている。 現在の最注力はTikTok起点のライブ配信。短尺動画とライブが同一プラットフォームで呼応する構造に、本気で賭けている。
「知名度は選択肢を増やす」
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藤崎が見据えるのは、ライバーという生き方の地位向上だ。「頑張っている人が正しく報われる仕組みをつくりたい。知名度が上がれば、人生の選択肢は確実に増える」。 ライブ配信は長らく投げ銭の先入観と隣り合わせだった。ときに心ないユーザーもいる。それでも藤崎は文化の成熟を信じる。 SHOWROOM、17LIVEの初期からBIGO、TikTokへ。課金動機は「オーディション支援」から「双方向の体験」「バトルの熱狂」へ多様化し、裾野は広がった。 「稼げれば続けられる。続けられれば上達する。上達はまたチャンスを呼ぶ」──継続可能性を生む経済設計が、同社の根っこにある。
バンドマン、教師、そして現場
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藤崎の経営の出発点は音楽活動だ。ブッキング、集客、物販、サイト制作、演出まで自分たちで回した。「手と足を動かし、熱を言葉にして届ける」ことをライブハウスで学んだ。 さらに遡ればリトルリーグのキャプテン経験。徹底した努力とリーダーの矜持を叩き込まれ、「人の前に立つとは何か」を胸に刻んだ。 また、教師として「教える・寄り添う」経験も持つ。「自分のためより、目の前の人に必要なことをやる」姿勢が、配信者支援の仕事に自然と接続していく。
見えるオーディションとTikTokへの確信
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惹かれた起点は、SHOWROOMの「オーディション格差をなくす」という思想だ。審査の不可視性から解き放たれ、努力の可視化で戦える。 一方で、ライバーが積み上げたフォロワーが芸能案件へ必ずしも接続しない壁、毎日配信でも伸び悩む現実も直視してきた。変曲点はTikTok。短尺動画とライブが同じ土俵にあることで、露出とコミュニティ形成が循環する。 同社所属の俳優・福原英樹氏は、SHOWROOMの毎日配信からTikTokの毎日投稿へ舵を切り、フォロワー約45万人に到達。象徴的なケースとなっている。 「方向を間違えた努力は人をすり減らす。だから勝てる土俵へ導き、戦い方を一緒に設計する」。そのために、SEOでの募集導線、秋葉原のカルチャー接点、VTuber運営、不動産支援まで束ね、配信者の生活と挑戦を実務で支える。
「第七の扉」を叩く人を増やす
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SDPIのSDはSeventh Door──「ラッキーな扉」を意味する。 「家の扉が一番目だとしたら、七番目の扉は、人生を変えるきっかけの象徴。あの扉を叩いてよかったと言われる存在でありたい」。 この実装に向け、新ライバー事務所ブランドの立ち上げを進行中(名称・時期は未公表)。TikTokを主軸にしつつ、プラットフォーム横断で戦える総合事務所の体制を整える。 被リンクを増やすメディア設計、募集導線の強化、イベント・オーディションの企画運営で、露出と信用を積み上げる“土台”をプロダクトのように磨く。 さらに、「ライバースポンサー制度」を構想。週5配信など明確なアクションに対し、ブランドが継続的にロゴ掲出・協賛する仕組みだ。単発の案件依存を超え、ライブの継続と品質を並走させる広告モデルを目指す。 社会貢献の軸は、シングルマザー支援から地域格差の是正へ拡張。時間や場所の制約があっても挑戦できる職業として、ライバーを当たり前の選択肢に。 経営姿勢は創業以来無借金。急激なブーストより、キャッシュフローをこつこつ積む。「地に足のついた運営が、人の挑戦を長く支える」。
応援のかたちを職業に
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「全人口ライバー化計画」と聞けば大仰に響く。だが実態はきわめて実務的で、現場に根差している。募集ページの一行、配信時間割の工夫、住まいの契約、心が折れそうな夜の伴走──小さな改善の積み重ねで、人の努力が正しく増幅される回路をつくることだ。 ライブ配信は、推しと観客の境界が溶け、誰もが表現者になり得るフィールド。藤崎は、その矢面に立ち続ける。 「知名度は、人生の選択肢を増やす」。そのシンプルな真理を手触りのある勝ち筋へ変えながら、第七の扉へと背中を押す。