TENEZ MANAGEMENT株式会社は、スポーツとファッション、そしてカルチャーを融合させた新しいブランドを発信している。 代表を務めるのは、双子アスリートの冨田大夢と冨田千聖。二人が立ち上げたアクティブウェアブランド「TENEZ(テネス)」は、東レとJAXAの共同開発技術「MOON-TECH®」などを採用し、機能性とデザイン性を兼ね備えた高品質なスポーツウェアを展開する。 TENEZが目指すのは、単なるファッションブランドではない。「アスリートが、かっこよく生きる文化をつくる」こと。競技としてのスポーツではなく、“生き方としてのスポーツ”をデザインする試みだ。 二人が世界での挑戦を経てたどり着いた結論は、「勝ち負けよりも、人の心を動かす挑戦をしたい」という想いだった。
“アスリートの生き方をカルチャーに変える
TENEZ MANAGEMENTの活動は、一言でいえば“アスリートの生き方をデザインすること”。 TENEZのウェアは、汗を素早く拡散してベタつきを防ぐ「MOON-TECH®」を採用するが、それ以上に重視しているのは“メッセージ性”だ。 「TENEZの服を着ることで、自分の努力や挑戦がかっこよく見えるようにしたい」。その想いを、すべてのデザインに込めている。 スポーツとストリートカルチャーを融合させた“ストリートスポーツ”という新しい価値観を提唱。 デザインから撮影、販売までを二人で担うのは「想いがぶれないため」。双子ならではの呼吸の一致が、ブランドの世界観を強固にしている。
異国で磨かれた“挑戦の感性”
1996年、東京都生まれ。幼少期から常に一緒に育ち、3歳でスポーツと音楽に触れ、自然と“表現”の世界に惹かれていった。 14歳で世界に挑戦するためイギリスへ。寄宿学校での生活を経て、17歳で本格的にテニスの道に進む決意を固める。その後、アメリカ・フロリダ州のIMGテニスアカデミーに移り、トップ選手を目指して日々練習に打ち込む。 大学はニューヨーク州立大学パーチェス校に進学し、テニスとアートを両立。しかし1年で中退し、スペインへ再挑戦する。灼熱の赤土コートでボールを追う日々は、単なる練習ではなく、自分を磨く“修行”そのものだった。 どんなに苦しい時でも、隣にはもう一人の自分がいた。互いの存在が支えとなり、挑戦を続ける力になった。「勝てなくても、負けても、自分を信じて進む」──この経験が、のちのTENEZの哲学の礎となる。
敗北の中で見つけた「新しい使命」
約10年に及ぶ挑戦の末、二人はプロテニスの夢を手放した。だが、その決断は終わりではなく、新しいスタートだった。 競技の世界で見たのは、才能があっても経済的な理由で続けられない選手たちの現実。「勝つためのテニス」ではなく、「誰かに力を与えるテニス」をつくれないか──。この問いが、二人を“アスリートの生き方をデザインする”という次のステージへと導く。 こうして誕生したのがアクティブウェアブランド「TENEZ」。テニスで培った精神とアートで磨いた美意識を融合させ、スポーツを“表現”として昇華する道を選んだ。 ウェアを通じて届けたいのは、「努力する姿が一番かっこいい」というメッセージ。TENEZは単なるアパレルブランドではなく、“生き方のメディア”としてアスリートの価値を再定義している。
共創の力で、スポーツの未来を変える
TENEZの未来像は、アパレルの枠を超える。目指すのは「テニス界の再生」と「挑戦を続けられる社会」の実現だ。 これまで多くの選手が経済的な理由で夢を諦めてきた現実を変えるため、ブランドの収益を活かし、若手選手の支援や大会運営への展開を構想する。 「自分たちが“支援される側”から“支援する側”へ回ることで、次の世代の希望になりたい」。すでに活動は広がりつつあり、テニスを軸にファッション・音楽・アートが交わるコミュニティづくりにも挑戦。 「競争よりも共創」。それが、二人が描く新しいスポーツの形だ。背中を預け合いながら歩んできた冨田ツインズの挑戦は、いま“カルチャーとしてのスポーツ”という新しい概念を世界に投げかけている。
Profile
【Tomita Twins】冨田大夢(とみた・たいむ)/冨田千聖(とみた・ちせい)
TENEZ MANAGEMENT株式会社 代表
1996年3月11日、東京都生まれの双子。14歳から25歳まで、イギリス・アメリカ・アルゼンチン・スペインでテニスとデザインを学ぶ。IMGテニスアカデミーおよびニューヨーク州立大学パーチェス校で研鑽を積み、テニスとアートの両面から“表現”を追求。2021年にTENEZ MANAGEMENT株式会社を設立。先端素材「MOON-TECH®」などを用いた高機能スポーツウェアを展開し、アスリートのライフスタイルをファッションで支える。「テニスをもっとメジャーに」を掲げ、現役プレーヤーとして活動しながら、スポーツ・ファッション・カルチャーを横断するブランドを育てている。