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PROFILE

プロフィール

社長写真

じゅん農産(株式会社MINOるアグリ)

代表取締役社長
伏見 純哉(ふしみ じゅんや)

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出演依頼
得意領域いちご/農業の土、限界集落の事情
会社URLhttps://jun-nousan.jp/online_shopping/megami_sizuku%EF%BC%BF1/
出身地岐阜県岐阜市
生年月日1997年10月22日
血液型不明
サイズ身長167cm/体重いちご1,800個分
趣味山に登ってホットサンドを食べること
特技ウィンタースポーツ(スノーボード)
最終学歴秋田県立大学
座右の銘運の良さは行動の量で決まる
肩書き山の住人 / 土を食べるヤバい人

【メディア出演実績】

<テレビ>

2025.10 東海テレビ:キャッチ!

2024.11 CBCテレビ:花咲かタイムズ

2023.03 東海テレビ:ニュースONE

2023.02 中京テレビ:キャッチ

2023.01 CCN(ケーブルテレビ):エリアトピック

<新聞>

2024.01 中日新聞

2023.01 中日新聞

2023.01 岐阜新聞

<YouTube>

- History

じゅん農産(株式会社MINOるアグリ) 代表取締役社長 伏見 純哉

プロフィール写真_サムネイル

“狙って大粒”を実現する、土づくりと日照設計のイチゴ経営

いちごの写真

岐阜県美濃市の山あいに拠点を置くじゅん農産は、有機物・雑草資材を活用した土壌設計、日照解析に基づくハウス配置・管理、開花段階の摘花による養分集中を柱に、大粒・高付加価値のイチゴを計画的に生産する農業法人である。 山間地は日照や地形の制約が多いが、伏見は現地測定とアプリ解析で“光の当たり方”を可視化し、畝の向き・高さ・被覆や換気を微調整。あわせて微生物バランスを整える土壌管理を徹底し、サイズと味の再現性を高める。 その結果、初年度から市場評価が定まり高単価の販路を確保。生産に加え、体験イベントやカフェ連動で来訪動線を設け、地域の放置農地再生とも連動させる事業モデルを描く。

「土を守り、世代をつなぐ」

作業風景

伏見の合言葉は明快だ。「土を守り、世代をつなぐ」。農地は住宅地に変われば戻らない。だからこそ土を未来に手渡せる収益モデルが必要だと考える。 点の成功ではなく、仕組みとして持続する一次産業をつくること。高品質づくりと同時に、地域行事への参画、農地の維持管理、放置地の活用を“経営の一部”に組み込み、共感(感情)と収益(経済)を両輪で回す。 若者が参入して暮らせる一次産業にこそ、地域の未来は宿るという確信である。

通学路で田んぼが消えた日から、土に向き合う決意へ

実験機械の前

起点は高校時代の通学路。見慣れた田んぼが次々とアパートに置き換わる景色に、伏見は不可逆の減少を痛感した。 大学では農学を専攻し土壌研究に没頭。秋田の限界集落で暮らしと農の現場に触れ、一次産業を“自分事”として捉え直す。 卒業後は農業機械商社に入社。現場を支えるつもりが、高齢農家に新品機械を勧めざるを得ない場面にジレンマを抱え、合理と現実、売上と持続可能性の狭間で葛藤。やがて「支援する側から生産する側へ」と決意する。 新規就農に踏み出すも、山間地ゆえの日照懸念で農地確保は難航。転機は市役所職員の紹介で道が開けたこと。その後は用水掃除や田植えの手伝いなど地域行事に汗を流し、「よそ者」から担い手へ信頼を積み上げた。

観察×データで“偶然”を排し、収益で“持続”を担保する

いちごの成長を観察

伏見の強みは観察知とデータの往復である。見えにくい土には有機物・雑草由来資材で団粒構造を育て、微生物の偏りを避ける。 山間地の弱点とされた日照は、季節・時刻・地形で光の角度と遮蔽を解析し、ハウスの方位・ベッド配置・換気量まで設計。開花期には摘花で栄養を集中させ、“狙って”大粒を出す再現性を高める。 一方で現場は常にリスクと隣り合わせ。2年目には苗の病害で大打撃を受けたが、地域ネットワークに助けられて再起。その経験から導いた結論が「1年作れなくても潰れない仕組み」である。生産技術の精度に依存し過ぎず、リスク分散された事業設計を持つこと。 その解決策として伏見は、完全閉鎖型植物工場のパッケージ化を構想する。設計図(環境制御・栽培レシピ)+オペ研修+販路設計をセットで標準化し、ライセンス提供や共同事業で展開。現場の知を仕組みへ昇華し、収益で持続を担保する。これが伏見の思想だ。

美濃モデルの横展開と、限界集落へのロイヤリティ還元

ビニールハウス

目標は二層。第一に、美濃で確立した「土壌設計×日照設計×摘花集中」モデルを国内の山間地へ横展開すること。複数拠点化は気象・災害リスクの分散となり、供給の安定と雇用維持につながる。 第二に、完全閉鎖型植物工場のパッケージを外部パートナーと配備し、ライセンス収益の一部を限界集落へ還元する仕組みを設けることだ。 海外では現地完熟栽培モデルを試行し、ロイヤリティを日本の周縁地域へ逆流させる設計を描く。体験・カフェ・直販など来訪・関与の入り口も広げ、地域内外のファン資本を積み増す。若者には就農前インターン/季節雇用/独立支援の三段階ルートを提示し、「参入→定着→承継」の循環を設計する。 結局のところ、一次産業は収益が出て暮らしが回るかに尽きる。伏見は共感(感情)と収益(経済)を両輪で回し、“稼げる一次産業”を山間地から実証する道を選んだ。 「土を守り、世代をつなぐ」。先人が受け継いできた土を、科学と経営で磨き直し、次の担い手へ手渡す。その覚悟が、朝霧の抜けたハウスに今日も息づいている。

伏見 純哉

Profile

伏見 純哉(ふしみ じゅんや)

じゅん農産(株式会社MINOるアグリ) 代表取締役社長

岐阜県岐阜市出身。高校時代に農地消失を目の当たりにし、大学で土壌研究を専攻。農業機械商社勤務を経て新規就農。岐阜県美濃市で有機物・雑草資材による土壌設計、日照データ解析、開花期の摘花による大粒化を組み合わせた高付加価値イチゴのモデルを構築。放置農地の活用、地域行事への参画、体験・カフェ連動で来訪動線を創出。現在、完全閉鎖型植物工場のパッケージ化・ライセンス提供、複数拠点化、限界集落へのロイヤリティ還元を見据え、「土を守り、世代をつなぐ」農業の実装を進めている。